季語について


九月の季語

白露
(はくろ)
仲秋
(ちゅうしゅう)
二百十日
(にひゃくとおか)
風の盆
(かぜのぼん)
秋の空
(あきのそら)
秋高し
(あきたかし)
秋気
(しゅうき)
爽やか
(さわやか)
野分
(のわき)
鮭颪
(さけおろし)
二百二十日
(にひゃくはつか)
秋彼岸
(あきひがん)
竹の春
(たけのはる)
秋分
(しゅうぶん)
冷やか
(ひややか)
桐一葉
(きりひとは)
秋時雨
(あきしぐれ)
露の玉
(つゆのたま)
水澄む
(みずすむ)
名月
(めいげつ)
宵闇
(よいやみ)
月代
(つきしろ)
雨月
(うげつ)
秋の七草
(あきのななくさ)

(はぎ)
虫の音
(むしのね)
庭木刈る
(にわきかる)
薬掘る
(くすりほる)
竹伐る
(たけきる)
扇置く
(おおぎおく)
後の更衣
(のちのころもがえ)
重陽
(ちょうよう)
秋茄子
(あきなす)
青蜜柑
(あおみかん)

■野分(のわき)

野わけ(のわけ)・野分雲(のわきぐも)・野分立つ(のわきだつ)・野分跡(のわきあと)・野分晴(のわきばれ)

野分とは草木を吹き分けるの意で、秋の暴風、今で言う台風のことです。
台風がすぐ生活(たつき)に結びつく船乗りや漁師は、その接近で風向きが時計回りと反対に回転することで察知できましたが、陸上暮らしの人には、当時は突風と思っていました。
二百十日や二百二十日頃に現われ、また野分めいた風の吹くことを野分立つと表現しています。
『源氏物語』の「野分」には、「野分れいの年よりもおどろおどろしく、空の色かはりて吹きいづ」と出てきますが、古典文学の大方は、野分の過ぎた翌朝の様子を、風情のあるものととらえています。
野分は、当時の貴族にとっては雅言(がげん)だったからなのでしょうが、その意味では、野分晴の言葉も、台風が去った後の安堵感より、雅のニュアンスが強かったのかもしれません。


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