季語について


五月の季語

清和
(せいわ)
風薫る
(かぜかおる)
葉桜
(はざくら)
八十八夜
(はちじゅはちや)
新茶
(しんちゃ)
新樹
(しんじゅ)
若緑
(わかみどり)
新緑
(しんりょく)
端午
(たんご)
菖蒲葺く
(しょうぶふく)

(ふじ)
立夏
(りっか)
夏めく
(なつめく)
卯の花腐し
(うのはなくたし)
麦の秋
(むぎのあき)
小満
(しょうまん)
青嵐
(あおあらし)
万緑
(ばんりょく)
時鳥
(ほととぎす)
あやめ 薔薇
(ばら)
沙羅の花
(しゃらのはな)
田植
(たうえ)
早乙女
(さおとめ)
麦刈
(むぎかり)
上簇
(じょうぞく)
更衣
(ころもがえ)
生布
(きぬの)
蚕豆
(そらまめ)
初鰹
(はつがつお)

■風薫る(かぜかおる)

薫風(くんぷう)・薫る風(かおるかぜ)・風の香(かぜのか)

葉の梢を揺すって吹く南風は青嵐と呼ばれますが、その風が緑の香りを運ぶと見立てたのが、風薫るです。
『史記』にも「南風の薫(くん)ずる、以って吾が民の慍(うらみ)を解く」とあり、慍(うらみ)とは怒りのことですから、人の心を鎮める作用が薫風にはあるとの定義になります。
橘や梅の風は、それらの香りを運ぶ手段としての風でしたが、風薫るは、風が緑の香りを運ぶととらずに、風そのものが薫と主観的にとらえた方が詩情は膨らみます。


季語のページへ戻る