季語について


十月の季語

秋日和
(あきびより)
秋澄む
(あきすむ)
秋乾き
(あきがわき)
秋麗
(あきうらら)
色なき風
(いろなきかぜ)
寒露
(かんろ)
秋土用
(あきどよう)
霜降
(そうこう)
霧の帳
(きりのとばり)
漸寒
(ややさむ)
うそ寒
(うそさむ)
菊日和
(きくびより)
菊枕
(きくまくら)
秋の田
(あきのた)
稲刈
(いねかり)
稲干す
(いねほす)
稲扱き
(いねこき)
秋収め
(あきおさめ)
鹿の角切り
(しかのつのきり)
山粧う
(やまよそおう)
野山の錦
(のやまのにしき)
黄落
(こうらく)
紅葉狩
(もみじがり)
銀杏黄葉
(いちょうもみじ)
燕帰る
(つばめかえる)
秋の夜
(あきのよる)
秋思
(しゅうし)
秋興
(しゅうきょう)
秋意
(しゅうい)
身に入む
(みにしむ)
千秋楽
(せんしゅうらく)
秋果
(しゅうか)
新米
(しんまい)
新酒
(しんしゅ)

■色なき風(いろなきかぜ)

風の色(かぜのいろ)・素風(そふう)・金風(きんぷう)

秋の風を「色なき風」と使ったのは、『古今六帖』に収める紀友則の歌「吹き来れば身にもしみける秋風を色なきものと思ひけるかな」からと言われます。
中国の古い哲理によると、天地の間には循環して留まらない木・火・土・金・水の五つの精気があって、これが万物組成の元素だとします。
この陰陽五行説に秋風を配すると金風になり、色に配すと白で、素風ということになり、紀友則の歌も、この五行説を下敷きにしています。
俳諧でも「秋風やしらきの弓に弦はらん」(去来)の「しらき(白木)」のように、「白」のイメージを重ねて使います。


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