年中行事・記念日・祭り 解説文


「大正」改元の日(たいしょうかいげんのひ) 2023年 7月30日(日)

1912年のこの日、近代天皇制を打ちたてた明治天皇が「午前零時43分」崩御されたと公表されました。
実際には前夜午後10時43分の崩御でしたが、皇族会議で2時間遅らせて宮内省の公示によって発表されました。
皇太子喜仁親王が皇位を継ぎ、中国の「易経」の「大いに享を正すをもって天の道なり」からとって「大正」と改元されました。
夏目漱石は小説「こころ」で、「明治天皇が崩御になりました。その時、私は、明治の精神が、天皇に始まって、天皇に終わったような気がしました。」と書いています。

「平成」改元の日「明治」改元の日「昭和」改元の日
の解説もご覧下さい。


宮中祭祀:明治天皇例祭(きゅうちゅうさいし:めいじてんのうれいさい)
2023年 7月30日(日)

明治天皇の崩御相当日に皇霊殿で行われる祭典。(陵所においても祭典があります)


土用の丑の日(どようのうしのひ)
2023年 7月30日(日)【夏の土用の間のうち十二支が丑の日】

土用は古くは「土王用事」とか「土旺用事」といい、土の気が旺(さかん)である時期であるため、土を動かしたり、穴を掘ることを忌むとされた。
また、殺生も不吉とされました。

土はものを変化させる作用を持ち、用はハタラキの意が含まれています。
土用は中国古代の陰陽五行説に基づくもので、陰陽五行説では四季を五行(木・火・土金・水)に割りふって、春は木、夏は火、秋は金、冬は水としました。
このため、土に割振る季節がなかったのです。 そこで、四季の終り各18日間(土用は入りの日の時刻により、暦面の日数が18日または19日間となります)を土の為の期間、つまり土用として割当てました。
したがって立春の前18日間が冬の土用、立夏の前18日間が春の土用となります。
そして立秋、立冬の前各18日間がそれぞれ夏の土用、秋の土用です。
このように、土用は年間に4回ありますが、猛暑の7月下旬から8月上旬にかけての夏の土用は最も印象が強く、ふつう「土用」というと誰でも夏の土用を思い出します。
そのため、土用は夏だけと思っている人も少なくないわけで、夏の土用の期間の丑の日に鰻の蒲焼きを食べる習慣は、国民的行事となっています。
夏やせ、夏バテ防止に鰻を食べる習慣は『万葉集』にも見られるほど大昔から行なわれています。
なお、今日では次のように太陽の黄経上の位置によって土用を決定しています。
27度、117度、207度、297度

2023年度 土用
冬の土用:1月17日(火)~2月3日(金)
春の土用:4月17日(月)~5月5日(金)
夏の土用:7月20日(木)~8月7日(月)
秋の土用:10月21日(土)~11月7日(火)

土用の適用は上記のように中国の五行思想にもとづいていますが、日本の四季の変化、季節のうつろいの実際からして、季節のうつろいを読み取る上での土用の18日間は、とても興味深く、味わいのあるものです。
しかし、現代を生きるわれわれは、土用という季節感がすっかり鈍ってしまっています。
日本の季節はゆるやかに変化しながら移行していきます。
この移行の期間に寒さ暑さが行ったり、来たり。
それが18日間ぐらいあって、春、夏、秋、冬が明らかになります。
冬の土用は、ほぼ大寒の節気、春の土用は、ほぼ穀雨の節気、夏の土用は、ほぼ大暑の節気、秋の土用は、ほぼ霜降の節気、つまり、寒、暑に雨と霜の節気が土用に相当するわけで、気候が厳しかったり、寒暖が定まりにくかったりする時季なのです。
つまり、健康にも留意する必要がある時季ともいえます。
季節のかわり目である年4回の土用の時季に、暫く会っていない知人、友人に気軽に ハガキでも書いたらいかがでしょう。(“季節の変わり目です。御身体お大事に。ご自愛下さい。”のような内容で)コミュニケーションは、より深まることでしょう。

立春の前、約18日間の冬の土用は、ほぼ大寒の節気。最終日は節分、そして翌日は立春です。
春の気配があちらこちらで立ち込めてきます。

立夏の前、約18日間の春の土用は、ほぼ穀雨の節気。最終日は節分、そして翌日は立夏です。
夏の気配が萌してきます。

立秋の前、約18日間の夏の土用は、ほぼ大暑の節気。最終日は節分、そして翌日は立秋です。
秋の気配が立ち込めてきます。

立冬の前、約18日間の秋の土用は、ほぼ霜降の節気。最終日は節分、そして翌日は立冬です。
そろそろ冬の気配が萌してきます。

土用の期間を季節のうつろい、次の季節への移行の期間としてとらえてみると、一年間の季節のうつろいがよく理解でき、より“ともいき暦”に親しめます。
土用をもう一度、意識して生活することが大事なのではないのでしょうか。