気象の上での入梅は地域によって相違があり、年によって早い遅いがあります。
しかし、大よその時期を知らせる必要があるところから、暦の上の入梅が設けられています。
暦の上の入梅は、現在では太陽が黄経80度に達したときと定められているので、夏至(黄経90度)のほぼ10日前となり、例年6月11日頃です。
古くは芒種の後の最初の壬(みずのえ)の日とされました。
壬の日が選ばれたのは陰陽五行説で、壬は水の気の強い性格とされたからで、多少こじつけっぽい理由です。
現在の方法だと、東海・関東地方の梅雨入りの平均に、ほぼ合っていて、ある程度合理性を持っています。
したがって、平均値だと思って見れば、暦の上の入梅も雑節として記載されている意義があるわけです。
暦の上に「出梅」は記載されていないませんが、「入梅」があるのだから当然「出梅」もあります。
これは古くは小暑後の壬の日とする説と、夏至以降の庚(かのえ)の日とする説とがありました。
入梅の語源は、梅の実が熟する頃に雨季に入るところから来ています。