「ともいき暦」の春・夏・秋・冬と12ヶ月について


●ともいき暦に親しみましょう。一日1回、ともいき暦を。
お日さまとお月さまという生命の根源に感謝し、水、土、木を大切にし、私たちのこの地球を生物多様性豊かな星に。
そして、“私たちが、人、そして自然と共に結び合い、助け合い、支え合い、譲り合って生きる”そういう社会づくりを目指しましょう。
生命を感じる、生きるという実感のある毎日を。ともいき暦はその道標です。


「ともいき暦」の春・夏・秋・冬と12ヵ月について

一年は四季に分けられ、四季は温帯地方の一年間の気候を春・夏・秋・冬の四つに区分したものを言います。
区分の方法は天文学上と気象学上では異なっています。
天文学上の四季は春分から夏至前日までを春、夏至から秋分前日までを夏、秋分から冬至前日までを秋、冬至から春分前日までを冬としています。
気象学上の四季は3月から5月までを春、6月から8月までを夏、9月から11月までを秋、12月から2月までを冬としています。(現行太陽暦で採用している四季です)

では暦の上ではどうでしょう。
暦では二十四節気の節に基づいて四季を区分し、立春から立夏前日までを春、立夏から立秋前日までを夏、立秋から立冬前日までを秋、立冬から立春前日までを冬としています。(これは節切りによる区分法です)
一年で春・夏・秋・冬の四季に分け、そして各季節は初・仲・晩の三候に分けられます。
歳時記の季語はこの分類法によって配分されています。
さらに暦の上では、つまり旧暦では、もうひとつの四季を分ける方法がありました。(これは月切りと言われます)
1月から3月までを春、4月から6月までを夏7月から9月までを秋、10月から12月までを冬としていました。(新暦に換算して置き換えてみると納得できます)

「ともいき暦」は、現行太陽暦と旧暦太陰太陽暦を組み合わせた暦なので、気象学上の四季と節切りを採用して作成されています。
特に旧暦については、二十四節気七十二候、9雑節、5節句、12和風月名の解説を読んで、明治の改暦の際、旧暦の日付を新暦に換算せず、そのまま新暦の日付に置き換えてしまった季節のずれを理解しましょう。


うるう月(閏月)について

一年に十三ヶ月の年が19年に7回ありました。
月の満ち欠けの周期である平均朔望月は29.530589日であるから、これを基に暦月をたて、その十二ヶ月を一年とすると354.3671日となり、一太陽年の365.2422日より11日ほど短くなる。
したがって太陰暦と太陽暦が同じ一月一日に始まったとしても、太陽暦の12月20日には太陰暦の一年は終わって次の年を迎えることになる。
同じ日付でも季節は10日余り早くなるから、17年、18年たつと正月が真夏となってしまう。
これでは日常生活には不便であるので、季節と日付のずれが一定の範囲内におさまるように、19年に7回、一ヶ月余分に入れて一年を十三ヶ月とした。
この余分に挿入される月を閏月という。

そこで、このような「太陰暦」の欠点を直したのが「太陰太陽暦」なのです。
「太陰暦」の12カ月は1年の長さよりも11日短いため、3年経つと1カ月ほど季節がずれてしまいます。
このため、約3年に1度、1カ月を余分に入れることによって、季節と暦のズレを解消してきました。

このように余分に入れる月を閏月(うるうづき)といい、閏月を入れて「太陰暦」の欠点を直した暦を「太陰太陽暦」というのです。


「ともいき暦」の春
関連季語は、陽春・芳春・東帝・青帝・三春・九春など

二十四節気旧暦では、立春(2月4日頃)から立夏(5月6日頃)の前日までの三ヵ月、現行太陽暦では、3月から5月までを指します。
春の語源は、草木の芽が「張る」、気候の「晴る」、田畑を「墾る(はる)」などの諸説があります。
初春・仲春・晩春と三期に分け、総称して「三春(さんしゅん)」といいます。(九春は90日のことです)
南北に長い日本列島では、実質的な春の到来の時期は地域によって、かなりの差がみられます。
北海道、東北地方では3月はまだ冬の名残の時季であり、気温が急に上昇する関東以南の明るいイメージからはまだ遠いのです。
桃や桜など木々の花が一斉に咲き出す所もあり、いずれにせよ、冬の寒さから開放され、活動を再開する生命の再生の喜びに満ちた季節です。


「ともいき暦」の夏
関連季語は、朱夏・炎夏・蒸炒・炎帝・祝融・夏場・三夏・九夏など

二十四節気旧暦では、立夏(5月6日頃)から立秋(8月8日頃)の前日まで、現行太陽暦では6月・7月・8月を指します。
夏の語源は、厚(あつ)、生(なる)、熱(ねつ)の字音からきたという説が有力です。
日本の夏は、風薫る若葉美しい初夏から、雨の降り止まぬ梅雨を経て、日照り酷暑の本格的な暑さの日々である仲夏、そして晩夏へと続きます。
三夏(さんか)は初夏・仲夏・晩夏のこと。(九夏は夏九旬、つまり夏の90日のことです)


「ともいき暦」の秋
関連季語は、高秋・素秋・白秋・白帝・金秋・三秋・九秋など

二十四節気旧暦では、立秋(8月8日頃)から立冬(11月8日頃)の前日まで、現行太陽暦では9月・10月・11月を指します。
秋は初秋・仲秋・晩秋に分けられ、これを三秋(さんしゅう)といいます。(九秋は秋九旬、秋の90日のことです)
秋の語源は、稲の成熟する時とする説が一般的ですが、「秋空があきらか(清明)であるところからか、収穫があ(飽)き満ちるところからか、また草木の葉があか(紅)くなる意からともいわれています。
秋は、夏から冬へ、気候が次第に移っていく過程であり、8月はまだ太平洋高気圧が強いので、残暑が厳しく、9月は台風や秋雨前線の停滞で降雨量が多く、10月になって移動性高気圧にたびたび覆われるようになると、さわやかな秋晴が続きます。
昼と夜の気温の差が著しくなり、朝晩の冷え込みを覚えるようになると晩秋です。
このような顕著な気候の推移が稲の稔りをもたらし、さまざまな秋果でわたしたちを楽しませてくれます。
山野を美しい紅葉に染め、その推移はまた、春から夏にかけて旺盛な繁殖を見せた自然が、冬に向かって凋落の歩みを早める足取りでもあります。


「ともいき暦」の冬
関連季語は、玄冬・玄帝・玄冥・冬帝・黒帝・冬将軍・厳冬・三冬・九冬など

二十四節気旧暦では、立冬(11月8日頃)から立春(2月4日頃)の前日まで、現行太陽暦では12月・1月・2月を指します。
一年中で最も寒い季節、冬は初冬・仲冬・晩冬に分けられ、これを三冬(さんとう)といいます。(九冬は冬九旬、冬の90日のことです)
冬の語源は、「冷(ひ)ゆに通ずという」、また「ひゆ(冷)」の意から。
一説に寒さが威力を「ふる(震)う」、また「ふゆ(植)」の意からなどともいいます。
春を生命の誕生の季節とすれば、冬は死の季節であり、再生へ向けて眠りにつく季節ともいえます。
寒さと暗さに絶えながら、やがて巡り来る春を、じっと待つ3ヵ月間は、ほかの季節に比べて、ことのほか長く感じられます。

旧暦の季節感と季節観についてをご覧下さい。